病みつきエンジニアブログ

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農業のリアルな問題をちょっと感じてみたよ

お盆で、祖母の家に帰省しています。

祖母の家は、山梨県南アルプス市にあります。山梨県と言えば、ぶどうと桃の産地ですが、祖母の家では、桃とかさくらんぼ等を主に栽培しています。

個人的には、日本の農業は衰退していくだろうーとか、TPPが来ても市場原理でなくなるならしょうがないだろーとか、そういう風に考えているわけですが、一旦そこは抜きにして、農業のリアルを感じ取ってみました。

調査方法は、JAのアンケートに祖母が答えているのを見せてもらっただけです。

あくまで南アルプス市の1農家のアンケートから受け取った印象でありますので、実情とは離れている、もしくは情報が不足しているだけな可能性もあります。

農業はいきなりはなくならない

都会に住んでてもわかることですが、農業は衰退しています(よね?)。原因を一言で言えば跡継ぎ不足や高齢化です。

衰退の仕方は、跡継ぎがいませんー、なので農業はなくなりましたー、という風に、突然なくなるわけではありません。農業は、段階的に衰退しています。

例えば20年前とかを想定します(1993年とか)。そのとき、ある農家を「55歳父、55歳母、80歳祖母」で経営したとしましょう。しかし10年経つと、祖母が90歳で亡くなります。20年経つと、父が75歳になって亡くなります。そうすると母のみが農家を経営するわけですが、このときには75歳になっているので、体力が低下しています。

農家の構成員が不足したり、高齢化して体力が低下すると、農地面積に影響します。最初は100a栽培できたとします。しかし祖母が亡くなると、現実的に90aしか農業できなくなります。父が亡くなると、50aしか農業できなくなります。体力が落ちると、25aしか農業できなくなります。

農地面積が減っても、土地は減りません。つまり、農業していない土地は、空き地になります。もっと言うと、雑草が生える土地になります。なので、10a、50a、75aと、雑草地が増えていきます。僕はよく知りませんが、雑草が増えると土地が痩せてしまうようですので、雑草を除去するコストが掛かります。

これが、農業が衰退する1つのケースです。

空き地の活用がうまくいってない

この問題に対して、祖母が(というか、恐らく多くの農家が)言っているのが、空き地を活用してくれ、ということです。

ある農家が土地を余らせたとき、恐らく別の農家も土地を余らせます。(一件あたりの空き地)×(農家数)の土地が余るわけです。これを全く別の経営者が借り上げ(JAに求められているそうですが)、農家として運営したらいいじゃないか、ということです。

ただし(少なくともJAにとって)問題があり、各土地の値段が違うので、扱いに困るようです。

利用している農地は減ってるかもしれないが、土地がなくなっているわけではない。しかし活用できていない。という問題がわかります。

(あくまで個人的な印象ですが、農家はこれ以上儲かることを、大して望んでないかもしれません。いま以上働くのは無理で、かつ年金ももらっているからです。従って、土地の値段は想像以上に安く借りられる可能性があります。地権者にとって、マイナスの価値しかない感じがします)

インターネットの時代が来ていることはわかっている、しかしよくわかってない

祖母がJAに対して(わざわざ自由回答で)質問していたのが「インターネットの個人宅配が増えているが、JAはどう思いますか?」ということです。

ここからわかることが2つあります。

  • 田舎の農家でも、ECが増えていることはわかっている。恐らく、一般流通が減っていくこともわかっている。
  • それに対してJAは対策を上手く取れていないかもしれない

ということです。農家の個人宅配、まだまだ市場がぽっかり空いているのかなあという印象です。

JAに対する信頼が絶大

JAの愚痴を言っているのを聞きますが、なんだかんだ信頼はとても大きいような回答をしていました。そして、安定した経営を望んでいるわけです。

しかし、今までどおりのことをやっているというのは、安定ではなくて衰退だ、ということが、伝わっているのかどうかはわかりません。

また、JAに対する信頼がとても大きいので、農家向けの商売は、そういう点で困難かもしれません。「JAの信頼を落とす」「自分たちの信頼を上げる」かしないといけないような気がします(例えば、若い家族から攻める、というのも手かもしれません)。

JAのサービスは充実しているみたい

詳しくわからないですが、JAのサービスは想像しているよりも充実しているみたいです。

てっきり、流通とかしか担わないのかと思っていましたが、いろいろな農業指導などもしてくれるみたいで、まさに「農業コンサルタント」という感じです。その蜜月を数十年してきたわけですから、信頼が絶大なのも頷けます。

私がJAに望むこと

JAの信頼が絶大すぎるくせにうまく商売できていないみたいなので、積極的に外部委託とかしてほしいと思います。もうちょっと言うと、JAの農家コンサルタントはJAにしかできないと思うので、その事業に絞って収縮していってもらえたらなあ、という感じです。

南アルプス市からは以上です。